「地獄の火炎」で敵を焼き尽くす召喚獣として有名なイフリート。ゲームでは序盤のボスや頼れる味方として描かれますが、原典のアラビア伝承では、人間とは異なる次元に住む知性ある種族「ジン(Jinn)」の中でも、特に強力で邪悪な力を持つ階級を指す言葉でした。
煙から生まれた種族
ジン(Jinn)とは?
イスラム教の聖典クルアーンにおいて、人間は「土」から、天使は「光」から、そしてジンは**「煙の立たない火」から創られたとされています。彼らは人間同様に自由意志を持ち、食事もし、結婚もし、寿命もあります。 その中でイフリート**は、特に力が強く、反抗的で狡猾な性格を持つ者たちを指す言葉です(固有名詞ではなく種族名に近い)。
ランプの魔人との違い
「アラジン」に出てくるランプの魔人もジンの仲間ですが、イフリートはもっと危険な存在です。容易に願いを叶えてくれるような友好的な隣人ではなく、隙あらば人間を騙し、殺そうとする怪物として描かれることが多いのです。
ソロモン王との因縁
魔神を使役した王
伝説の魔術王ソロモンは、指輪の力で多くのジンやイフリートを従え、神殿建設などの労働力として使役しました。イフリートたちは王を恐れながらも服従し、逆らう者は壺に封印されて海に沈められました。 『千夜一夜物語(アラビアンナイト)』で漁師が壺を開けて魔人が出てくる話は、このソロモンの封印が解かれた様子を描いています。
ゲーム界の炎属性代表
ファイナルファンタジーシリーズ
第3作以降、炎の召喚獣としてほぼ皆勤賞。野獣のような姿や、屈強な戦士の姿で描かれ、「シヴァ(氷)」と対になる存在として定着しています。
転スラなどのラノベ作品
「炎の上位精霊」として登場し、圧倒的な火力を誇るキャラクターとして描かれます。原典の「中東の鬼」的なニュアンスよりも、「炎のエレメンタル」としての側面が強調されています。
【考察】なぜイフリートは人気なのか?
わかりやすい「力」の象徴
「燃え盛る炎」と「筋肉隆々の魔人」というビジュアルは、視覚的にパワーを伝えやすく、ファンタジー作品における**「最初の強敵」や「力強い相棒」**として非常に使い勝手が良いのです。
まとめ
灼熱の砂漠が生んだ炎の魔人イフリート。その激しい気性は、自然の猛威そのものであり、人間が畏怖し続けてきた「火」への恐れが具現化した存在なのかもしれません。