世界中で愛される『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』の英雄アラジン。ディズニー映画のイメージが強いですが、原作では中国(当時のイスラム世界から見た東方の漠然としたイメージ)の少年という設定です。怠け者で母を困らせていた彼が、悪い魔法使いの策略に巻き込まれて地下の洞窟に閉じ込められ、そこで運命を変える「魔法のランプ」と「指輪」を手に入れます。二人の魔神(ジン)の力を借りて、一国の王へと成り上がるサクセスストーリーです。
二つの魔法道具
指輪の魔神とランプの魔神
有名な「ランプの魔神」だけでなく、原作では「指輪の魔神」も登場します。指輪の魔神は力が弱く(移動魔法が得意)、ランプの魔神は強大な力(宮殿を建てるなど)を持っています。アラジンはまず指輪の魔神のおかげで洞窟から脱出し、次にランプの魔神の力で大金持ちになり、皇帝の娘バドル・ウル・ブドゥル(映画ではジャスミン)に求婚しました。
一夜にして建つ宮殿
皇帝からの無理難題(宝石で満たされた黄金の盆40枚など)を魔神の力であっさりクリア。さらに、新居として豪華絢爛な宮殿を一晩で出現させ、人々を驚愕させました。
逆転と大団円
ランプの喪失
悪い魔法使いが「古いランプを新しいランプと交換します」と触れ回り、事情を知らない王女が魔法のランプを渡してしまいます。宮殿ごと王女を奪われたアラジンですが、残っていた「指輪の魔神」の力を借りて敵地へ乗り込みます。
最後の戦い
力技ではなく、王女と協力して魔法使いに睡眠薬を盛るという知恵でランプを奪還。さらに、復讐に燃える魔法使いの弟も返り討ちにし、最終的に皇帝の後を継いで名君となりました。
魔法使いの正体
原作において、悪い魔法使いは「マグリブ(アフリカ北西部)」の出身とされています。当時のイスラム世界中心部(バグダッドやダマスカス)の人々にとって、西の果ては未知の魔法が存在する怪しい場所と考えられていたのかもしれません。東の果て(中国)を舞台に、西の果ての魔法使いと戦うという壮大な地理的スケールも魅力の一つです。
まとめ
ただの幸運な少年ではなく、失敗から学び、知恵と勇気で運命を切り拓いたアラジン。その物語は「願えば叶う」という希望を世界中に与え続けています。