叙事詩『ベオウルフ』に登場する最初の敵、グレンデル。「カインの末裔」とされ、夜な夜な祝宴の館を襲っては人間を喰らっていた、嫉妬と悪意の塊です。
呪われし怪物
鉄の肌
グレンデルの皮膚は魔法によって守られており、人間の造った剣や槍を通しません。このため、戦士たちは彼に傷一つ負わせることができず、一方的に虐殺されました。
孤独と嫉妬
彼は常に沼地に潜み、館から聞こえる楽しげな音楽や笑い声を憎んでいました。一説には、神に愛されぬ孤独が彼を凶行に駆り立てたとも言われています。
カインの末裔
伝説において、グレンデルは旧約聖書で弟殺しを行った「カイン」の末裔であるとされています。そのため、神に見放された呪われた存在として描かれ、人間の歓喜の歌声(神への賛美)に耐えられず、ヘオロットの館を襲撃したのです。
玉座への拒絶
彼は夜な夜な王の館を襲い、戦士たちを食らいましたが、決して王の「玉座」にだけは触れることができませんでした。玉座は神によって聖別されていたため、呪われた怪物である彼は近づくことすら許されなかったのです。
呪われた血脈
グレンデルは単なる怪物ではなく、旧約聖書における最初の殺人者「カイン」の末裔として位置づけられています。これはキリスト教的価値観が北欧の伝承と融合した結果であり、彼が神の光や祝宴の喜びを憎む「絶対悪」として描かれる理由でもあります。
ベオウルフとの対決
腕をもがれる
武器を捨て、素手で組み付いてきたベオウルフの握力は、グレンデルの想像を遥かに超えていました。逃げようとしたグレンデルは、肩から腕を引きちぎられ、瀕死の重傷を負って沼へと逃げ帰りました。
母親の復讐
グレンデルの死後、さらに恐ろしい彼の母親が現れ、ベオウルフと死闘を繰り広げることになります。
モンスターの原型
恐るべき捕食者
RPGなどに登場する「物理攻撃耐性を持つモンスター」や「再生能力を持つトロール」などのイメージの一部は、このグレンデルがルーツとなっています。
まとめ
グレンデルは、その強力な能力やエピソードから、現代の多くの作品でも重要な役割を担っています。アングロ・サクソン叙事詩を知る上で欠かせない存在と言えるでしょう。