「戦死すること」が最高の名誉とされる北欧神話。その理由が彼ら、エインヘリャルの存在です。死後、オーディンの館に招かれ、世界の終わりに備えて毎日殺し合いの訓練をする…そんな狂気とも言える英霊たちの実態に迫ります。
エインヘリャルとは?
選ばれし単独の戦士たち
「エインヘリャル」とは古代ノルド語で「単独で戦う者」あるいは「一度で(ひとまとめで)戦う者」を意味します。戦場で勇敢に戦って死んだ戦士の魂の中から、ヴァルキリーによって選別され、天上の宮殿ヴァルハラへと導かれた者たちを指します。
オーディンの私兵
彼らは主神オーディンが来るべき最終戦争「ラグナロク」に備えて集めた私兵団です。神々と共に巨人族と戦うための戦力として、数多くの英雄が集められています。
ヴァルハラでの過酷な日常
殺し合いと再生のループ
彼らの日課は壮絶です。毎朝、互いに武器を取って実戦形式の殺し合いを行います。手足を切り落とされ、首を刎ねられても、夕方になると全員の傷が癒えて生き返ります。
夜の宴
戦いが終わると、彼らはヴァルハラの広間に集まり、盛大な宴会を開きます。シェフのアンドフリムニルが調理した猪セーフリームニルの肉を食べ、山羊ヘイドルンから出る蜜酒を飲み、戦いの疲れを癒やすのです。
訪れる最期
ラグナロクでの決戦
世界の終末ラグナロクが訪れると、彼らは540あるヴァルハラの扉から一斉に出撃します。1つの扉から800人の戦士が並んで飛び出すと言われるほどの軍勢ですが、それでも巨人族との戦いでその多くが命を落とし、滅び去る運命にあります。
現代作品でのエインヘリャル
ヴァルキリープロファイル
ゲーム『ヴァルキリープロファイル』では、プレイヤーがヴァルキリーとなり、死にゆく人間の魂をエインヘリャルとしてスカウトし、育成して神界へ送るという設定が物語の核となっています。
まとめ
エインヘリャルは、永遠の戦いという名誉を与えられた存在ですが、それは同時に「死してなお戦い続けなければならない」という過酷な運命を背負った、悲しき英雄たちでもあります。