京都の奥座敷、貴船(きぶね)。清流が流れるこの地の貴船神社に祀られているのが、強力な龍神である**高龗神(タカオカミ)**です。
「龗(おかみ)」という難しい漢字は「龍」を意味し、タカオカミは「山上の龍神」を指します。谷底の龍神である**暗龗神(クラオカミ)**と対になる、あるいは同一の存在とされ、旱魃(かんばつ)や長雨の際に朝廷から黒馬や白馬が奉納された由緒正しき水神です。
炎と血からの誕生
十束剣の血
タカオカミは、イザナキが妻を焼き殺した火の神カグツチを怒って斬り殺した際、十束剣の柄(つか)に集まった血が指の間から漏れ出して生まれたとされています。 火の神の血から水の神(龍神)が生まれたという逆説的な出自は、火を制する最強の水の力を象徴しています。
雨を司る神
祈雨と止雨
日照りが続けば「黒馬」を献じて雨を願い、長雨が続けば「白馬」を献じて晴れを願う。この貴船神社での古来の風習が、現在の神社の「絵馬」の起源になったと言われています。 水源を守る神として、料理人や水商売の人々からも崇敬されています。
まとめ
高龗神は、炎の中から生まれた奇跡の龍神です。生命の源である「水」を自在に操り、京の都の水源を千年以上守り続けています。