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弥都波能売神:きらめく水の女神【灌漑・雨乞い】

#日本神話 #水神 #龍神 #女神 #農業 #雨乞い #国津神
弥都波能売神 / Mizuhaname
弥都波能売神

弥都波能売神

Mizuhaname
日本神話水神 / 龍神
神格★★★
大きさ清流のような乙女、または龍 (不定形)
権能雨を降らせ、川を治める
弱点土による汚染
主な登場
真・女神転生ペルソナ

人間だけでなく、動物や植物など地球上のあらゆる生命になくてはならない「水」。日本神話において、最も代表的で美しい水の女神が弥都波能売神(ミズハナメ)です。漢字で罔象女神とも書かれる彼女は、イザナミが死の間際に生んだ神であり、農業用水から飲み水まで、あらゆる清らかな水を司っています。神社の手水舎で龍の口から水が出ているのを見かけますが、彼女もまた龍神として信仰されることが多い神様です。その衝撃的な誕生秘話と、我々の暮らしに深く根付いたご利益について、詳しく見ていきましょう。

尿から生まれた?意外な出生

最後の贈り物

火の神カグツチを産んで大火傷を負い、病の床にあったイザナミ。彼女の尿(ゆまり)から生まれたのがミズハナメです。「尿から生まれた」と聞くと現代人は驚き、汚いと感じるかもしれませんが、神話の世界において体から出る液体(涙、汗、尿など)は生命力の凝縮であり、特に排泄物は肥料として大地を潤す神聖な液体と考えられていました。

母であるイザナミは、高熱(火)によって命を落とそうとしていました。その苦しみの中で、火を消し止め、熱を冷まし、傷ついた大地を癒やすための「癒やしの水」として、最後の力を振り絞ってミズハナメを生んだのです。彼女は母の愛と悲しみが結晶化した存在といえるでしょう。

龍神としての信仰と丹生川上神社

祈雨・止雨の神

奈良県の**丹生川上神社(中社)**をはじめ、貴船神社など全国の水神を祀る神社に鎮座しています。日照りの時には恵みの雨を降らせ、長雨の時には雲を晴らす「祈雨・止雨」の神として、古くから朝廷にも深く崇敬され、かつては生きた黒馬(雨乞い)や白馬(雨止み)が奉納されました。これが現代の「絵馬」の起源とされています。

灌漑用水の守護神

また、彼女は「罔象(みずは)」という名が示す通り、形を持たない水の精霊です。稲作にとって命綱である灌漑用水(農業用水)を守る神として、農民たちから大切にされてきました。その姿は美しい乙女、あるいはうねる川そのものである龍や大蛇として描かれ、清らかな水の流れそのものを象徴しています。

まとめ

清流のせせらぎのように、人々の暮らしを静かに、しかし絶え間なく潤す弥都波能売神。蛇口をひねれば水が出る現代こそ、その当たり前の恩恵と、水を守ることの大切さへの感謝を思い出したい神様です。