高い山にかかる霧が天狭霧神なら、私たちの住む里や平野、盆地に低く立ち込める霧は**国狭霧神(くにのさぎり)**の領域です。大地に近い場所で万物を潤し、静寂をもたらす、もう一柱の霧の神様です。
対となる存在
天と国のペア
親である大山津見神と鹿屋野比売神から生まれた際、天狭霧神と共に誕生しました。「国」は大地や人々の生活圏を指し、より身近な自然現象としての霧神であることを示しています。しばしば女神として解釈され、天狭霧神と夫婦神のように扱われることもあります。
大地の呼吸
循環の象徴
霧は地面から蒸発した水分が冷やされてできます。国狭霧神は、大地が呼吸をするように水分を循環させ、草木の成長を助ける豊穣の神としての側面も持っています。朝霧が晴れた後の瑞々しい風景は、彼女の恵みと言えるでしょう。
イメージされる姿
柔らかいベール
天狭霧神が荘厳な山の霧なら、国狭霧神は柔らかく包み込むような里の霧です。薄羽衣を纏い、田畑の上を静かに舞う女性的な姿や、深い森の奥で静かに佇む姿でイメージされます。
まとめ
里山や川沿いで出会う朝霧は、国狭霧神の優しい抱擁です。視界が白く染まる時、私たちは神話の世界の入り口に立っているのかもしれません。