**金山毘古神(カナヤマヒコ)は、対となる女神の金山毘売神(カナヤマヒメ)**とともに、金属・鉱山・製鉄を司る神です。
ハニヤスヒコと同様、その生まれは強烈です。火傷に苦しむイザナミが吐き出した「嘔吐物(たぐり)」が金属の姿となり、そこから化生しました。これは、溶鉱炉からドロドロに溶けた金属が吐き出される様子(湯出し)を神話的に表現したものと言われています。
鉱山と鍛冶の総元締め
金属文明の祖
「カナヤマ」は「金山」すなわち鉱山を意味します。古代において、青銅や鉄などの金属器(剣、鏡、農具)を作る技術は、国を富ませる最先端テクノロジーでした。 カナヤマヒコは、鉱夫、鍛冶職人、金属加工業者から絶対的な守護神として崇敬されており、日本の「ものづくり」の原点に立つ神と言えます。
主な信仰地
南宮大社(岐阜県)
全国の鉱山・金属業の総本宮とされるのが、岐阜県垂井町の南宮大社(なんぐうたいしゃ)です。ここではカナヤマヒコが主祭神として祀られており、古くから刀剣の奉納や、金属業者の参拝が絶えません。 また、日常生活においては、包丁やハサミなどの刃物、鏡、金銭(貨幣)を守る神として、また金運の神としても信仰されています。
まとめ
金山毘古神は、嘔吐という苦しみの中から生まれた、輝ける金属の神です。現代の工業社会においても、彼の加護は鉄骨や機械、コインの中に生きています。