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天若日子(アメノワカヒコ):恋に溺れ、使命を忘れた悲劇の貴公子【元ネタ】

#日本神話 #天津神 #悲劇 #弓矢 #裏切り #恋愛 #貴公子 #喪儀 #美濃 #返し矢
天若日子 / Amenowakahiko
天若日子

天若日子

Amenowakahiko
日本神話天津神 / 弓の神 / 悲劇の神
神格★★★
大きさ才色兼備の美青年
権能百発百中の弓の腕前
弱点色恋による使命の忘却、慢心
主な登場
古事記日本書紀

高天原から葦原中国(地上界)の平定という重大な任務を帯びて遣わされた若き神、天若日子(アメノワカヒコ)

彼は弓の名手であり、アジスキタカヒコネという親友もいる将来有望な貴公子でしたが、地上の美しさ(あるいは大国主の娘への愛)に溺れ、8年間ものあいだ任務を放棄し続けました。その果てに待っていたのは、自らが放った矢によって命を落とすという、あまりにも皮肉で悲劇的な結末でした。

愛と裏切り

下照比売(シタテルヒメ)との結婚

地上に降りたワカヒコは、大国主神の娘であるシタテルヒメと恋に落ち、結婚してしまいます。彼は「このまま葦原中国の王になろう」と野心を抱き、高天原への報告を8年間も怠りました。

雉の鳴女(ナキメ)の射殺

不審に思った天照大御神らは、様子を探るために「雉の鳴女」という使いを遣わします。しかし、ワカヒコは邪悪な女神**天之佐具売(アメノサグメ)**のそそのかしに乗り、天から賜った弓矢でナキメを射殺してしまいます。

返し矢の恐怖

矢は還る

ワカヒコが放った矢はナキメを貫き、そのまま高天原まで届きました。高木神(タカミムスビ)はその血塗られた矢を見て、「もしワカヒコが邪心を持って射たのなら、この矢に当たって死ね」と呪いを込めて地上へ投げ返しました。 矢は寝ていたワカヒコの胸に突き刺さり、彼は即死しました。「返す矢(返し矢)」という言葉の由来となったエピソードです。

喪山の葬儀とアジスキタカヒコネ

親友の激怒

ワカヒコの葬儀には、そっくりな容姿を持つ親友のアジスキタカヒコネが訪れました。しかし、ワカヒコの父や妻がアジスキタカヒコネを「ワカヒコが生きていた!」と間違えて抱きついたため、彼は「穢らわしい死人と一緒にするな!」と激怒し、喪屋を剣で切り倒して飛び去りました。 この切り倒された喪屋が、現在の美濃国にある喪山(もやま)になったと伝えられています。

まとめ

天若日子の物語は、能力があっても使命を忘れれば破滅するという教訓と、古代の葬送儀礼の起源を今に伝えています。彼は単なる悪役ではなく、愛と野心に生きた人間臭い神として描かれています。