速秋津日子(ハヤアキツヒコ)と速秋津比売(ハヤアキツヒメ)の間に生まれた水の神、天之水分神(アメノミクマリ)。「クマリ」は「配り(くばり)」が転じた言葉で、水源地から各田畑へ、水を公平に分配・調整する役割を担っています。**国之水分神(クニノミクマリ)**と対になり、天(気象としての雨)から地上への水の流れを司ると考えられます。
農業に必須の神
命の源流
水は多すぎれば洪水になり、少なければ作物は枯れてしまいます。水分神は、この水量を適切にコントロールする「治水・利水」の神として、古代の農耕社会において極めて重要視されました。山頂や分水嶺に祀られることが多いのは、そこが「水の分配点」だからです。
子守神(みこもり)
「ミクマリ」が次第に「ミコモリ(御子守)」と訛り、子供を守り育てる神として信仰されるようになりました。水が作物を育てるように、子供の成長を育む慈悲深い側面も持っています。
現代のインフラ
現代で言えば、ダムの管理者や、上下水道局のような役割を果たしている神様です。私たちが蛇口をひねれば当たり前のように水が出るのも、この「水配り」の神の働きがあるからこそと言えるでしょう。
まとめ
天からの恵みを、必要な場所へ、必要なだけ。天之水分神は、生命維持のライフラインを支える、静かなる守護者です。