年末の風物詩「酉の市」で売られる縁起物の熊手。あの賑やかなお祭りの中心にいるのが、天日鷲神(アメノヒワシ)です。単なる商売の神様ではなく、日本の繊維・製紙産業の礎を築いた技術者としての顔を持っています。
天岩戸での活躍
アマテラスを誘い出す音楽
有名な天岩戸神話では、アメノウズメが踊っている横で、弦楽器(琴)を奏でて場を盛り上げた神の一柱とされます。この時、弦の先に鷲が止まったことから「天日鷲神」という名がついたという説もあります。
産業の父として
忌部氏の祖神
彼は古代の祭祀・産業氏族である「忌部氏(いんべし)」の祖神です。特に阿波国(徳島県)に降り立ち、麻や穀(カジノキ)を植えて紙や布を作る技術を広めました。これが現在の和紙や繊維産業のルーツとされています。
なぜ「お酉様」なのか
鷲神社への信仰
彼を祀る鷲神社(おおとりじんじゃ)の祭礼が、11月の酉の日に行われることから「酉の市」が始まりました。「鷲」が「獲物を鷲掴みにする」に通じることから、商売繁盛(客を鷲掴み)のご利益があるとされ、巨大な熊手が奉納されるようになったのです。
まとめ
天日鷲神は、技術立国日本の原点とも言える神様です。熊手を買う時は、商売繁盛だけでなく、ものづくりの心にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。