古代エジプトの壁画や彫像で、空を飛ぶハヤブサ(ホルス神)が足に「輪っか」のようなものを掴んでいる姿を見たことはありませんか?あれがシェン・リングです。一見地味なシンボルですが、実は「王の名前を囲む枠(カルトゥーシュ)」の起源となった、極めて重要な守護の証です。
終わりのない円環
永遠と保護
シェン(Shen)という言葉は、古代エジプト語で「取り囲む」を意味します。結び目のあるロープの円環は、太陽の軌道のように終わりのない「永遠」と、その内側にあるものを邪悪から「保護」する結界を表していました。王はこのリングの中に自分の名前を刻むことで、永遠の命と王権の守護を願ったのです。
カルトゥーシュへの進化
名前を守る壁
名前が長くなるにつれて、円形のシェン・リングは引き伸ばされ、楕円形になりました。これが今日私たちがよく知る「カルトゥーシュ」です。つまり、王の名を囲む枠線は単なるデザインではなく、「シェン・リングによって永遠に守られている」状態を示しているのです。
まとめ
シェン・リングは、形あるものはいずれ滅びる世界において、「名前」だけでも永遠に残したいという古代エジプト人の切実な願いを象徴するアイテムです。