サンポ(Sampo)は、フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』における最大の争奪戦の種となった、魔法のアーティファクトです。伝説的な鍛冶屋イルマリネンによって作られたこの道具は、所有者に無限の富と幸福をもたらすと信じられていました。
三つの富を生む機械
派手な見た目の石臼
サンポの正確な形状は謎に包まれていますが、一般的には「彩り豊かな蓋を持つ巨大な石臼」として描かれます。側面には三つの投入口があり、それぞれから**穀物(食料)、塩(保存料)、金貨(富)**が止め処なく溢れ出します。
北の国ポホヨラへ
イルマリネンは、北の国ポホヨラの魔女ロウヒの娘と結婚するために、結納品としてこのサンポを製作し、プレゼントしました。これによりポホヨラは繁栄を極めました。
英雄たちの奪還と崩壊
カレワラの英雄の決断
後に、英雄ヴァイナミョイネン、イルマリネン、レミンカイネンらは、サンポを取り戻すためにポホヨラへ遠征します。彼らは一時的に奪還に成功しますが、追ってきたロウヒとの激しい海戦の末、サンポは海に落ちて粉々に砕け散ってしまいました。
破片の行方
海に沈んだ大きな破片はずっと塩を生み出し続けているため、海水は塩辛いのだと説明されます。一方、浜辺に打ち上げられた小さな破片はフィンランドの地に豊穣をもたらし、今日の繁栄の礎となったと伝えられています。
神秘の鍛造
イルマリネンはサンポを作るために、数日間にわたり炉に様々なものを投げ込みました。最初は弓、次は小船、その次は雌牛などが生まれてきましたが、彼はそれらに満足せず、最後にようやくこの魔法の石臼を完成させたと伝えられています。
まとめ
サンポは、「富の源泉」であり、同時に「決して独占できない幸福」の象徴でもあります。砕け散ったからこそ、その恵みは世界中に広がり、私たちの日々の糧となっているのかもしれません。