「桃」は、東洋において邪気を払い、寿命を延ばす果物として特別視されてきました。その最高峰に位置するのが、天界の女帝・西王母(せいおうぼ)が管理する「蟠桃(ばんとう)」です。神々でさえ喉から手が出るほど欲しがるこの桃は、一口かじれば人間など遥かに超越した存在になれる、究極のスーパーフードです。
熟成期間別・3つのコース
3000年コース(小)
3000年に一度実る桃。これを食べると仙人になれ、体が軽くなり、丈夫になります。
6000年コース(中)
6000年に一度実る桃。これを食べると不老長寿になり、霞を食べて生きられるようになります。
9000年コース(大)
9000年に一度実る、紫色の模様が入った極上の桃。これを食べると、「天地と共に尽きず、日月と共に滅びない」真の不滅の存在となります。孫悟空が盗み食いして平らげたのは、主にこの最高級品でした。
蟠桃会(ばんとうえ)
神々のパーティー
西王母は、ごく稀に神々や仙人を招いて、この桃を振る舞うパーティー「蟠桃会」を開きます。これに招待されることはステータスであり、逆に招かれなかったことは恨みの原因にもなります。『西遊記』では、悟空が自分だけ呼ばれなかったことにキレて、宴会場をめちゃくちゃにし、桃を盗み食いした挙げ句、天界から脱走するという大事件の発端となりました。
【考察】日本の桃太郎との関係
聖なる果実の系譜
日本でもイザナギノミコトが黄泉の国の追手から逃げる際に桃を投げつけたり、桃から生まれた桃太郎が鬼を退治したりと、桃には「魔除け」と「生命力」のイメージがつきまといます。これらはすべて、中国の仙桃信仰がルーツにあると考えられています。スーパーで売っている桃も、実はすごいパワーを秘めている……かもしれません。
まとめ
数千年の時を凝縮した甘美な果実、蟠桃。もし手に入ったら、あなたは永遠の命を選びますか?それとも、熟すのを待てずに食べてしまった悟空のように、今この瞬間の快楽を選びますか?