「むかしむかしあるところに...」で始まる日本の昔話の代表格。桃から生まれた元気な男の子が、お婆さんから貰った「日本一のきびだんご」で犬・猿・雉(キジ)を家来にし、村人を苦しめる鬼を成敗するために鬼ヶ島へ旅立ちます。単純明快な勧善懲悪ストーリーは、明治時代以降、教科書に掲載されたことで国民的説話として定着しました。
伝説のルーツ
吉備津彦命
桃太郎のモデルとされるのが、第7代孝霊天皇の皇子・吉備津彦命(きびつひこのみこと)です。彼が吉備国(現在の岡山県)を平定し、製鉄技術を持つ渡来人集団といわれる「温羅(うら、鬼のモデル)」を倒した伝説がベースになっていると言われています。岡山県の吉備津神社には、この戦いにまつわる史跡が多く残されています。
回春型桃太郎
現在知られている「桃から生まれた」バージョンは明治以降に普及したもので、江戸時代以前の古風な話では、川から流れてきた桃を食べたお爺さんとお婆さんが若返り(回春)、二人の間に子供ができたという性的示唆を含む内容が一般的でした。
現代への影響
「桃太郎」の物語は、単なる昔話を超えて、日本の文化的アイコンとなっています。第二次世界大戦中にはプロパガンダ映画『桃太郎 海の神兵』が制作されるなど、時代によって様々な解釈がなされてきました。現代ではゲーム、アニメ、CM(auの三太郎シリーズなど)でパロディ化されることも多く、誰もが知るキャラクターとしての地位を確立しています。また、岡山県の「きびだんご」は、この物語のおかげで全国的な名産品となりました。
最強のチーム
三匹のお供
犬(忠誠・嗅覚)、猿(知恵)、雉(偵察・空からの攻撃)という組み合わせは、十二支の「申・酉・戌」が鬼門(丑寅)の反対方角に位置することに由来するとも言われます。また、きびだんごは当時の保存食・霊力のある食べ物として描かれています。
まとめ
生まれながらの力強さと、仲間を率いる統率力。桃太郎は、日本人が理想とする「健康的で正義感あふれるリーダー像」の原点です。