「願いが叶うマジックアイテム」といえばアラジンのランプが有名ですが、もしそれが悪意を持って願いを叶えるとしたら?イギリスの怪奇小説『猿の手』は、そんな恐怖を描いた傑作として世界中で知られています。干からびたミイラの手が指を折るたびに、持ち主の人生は地獄へと転がり落ちていくのです。
インドの行者の呪い
運命を操作するな
この猿の手は、ある老兵がインドで手に入れたものです。ある聖なる行者が「運命を無理に変えようとすれば、災いが伴う」という教訓を示すために呪いをかけたとされています。3人の持ち主の願いをそれぞれ3つずつ叶えますが、最初の持ち主は絶望して死に、老兵自身もこれを捨てようとしていました。
200ポンドの代償
第一の願い
面白半分に手に入れたホワイト氏は、「家のローンを払うために200ポンド欲しい」と願いました。翌日、息子が工場の機械に巻き込まれて死亡し、会社から見舞金としてちょうど200ポンドが支払われました。願いは叶いましたが、代償は息子の命でした。
第二、第三の願い
悲しみに暮れる妻は「息子を生き返らせて!」と願います。猿の手が動き、土葬されたはずの息子が墓から這い出し、夜中に家のドアを叩きます。しかし、ホワイト氏は「機械でグチャグチャになった身体のまま生き返ったモノ」がドアの向こうにいると気づき、恐怖に震えながら最後の願いを口にします……。 「息子を墓に戻してくれ(あるいは消してくれ)」と。
現代での引用
化物語シリーズ
アニメ化もされた『化物語』では、主要キャラクターの神原駿河に関わる怪異として「レイニー・デヴィル(猿の手)」が登場します。持ち主の隠されたどす黒い願望まで勝手に読み取って叶えてしまう、原作以上に厄介な怪異として描かれました。
まとめ
楽をして願いを叶えようとしてはいけない。『猿の手』が突きつけるシンプルで残酷な真理は、現代人の心にも鋭く刺さります。