北欧神話の狩猟神ウル。スキーの名手としても知られる彼の象徴的な武器が、イチイの木で作られた弓イチイバルです。現代のアニメやゲームでは「ガトリングガンのような連射能力を持つ弓」として派手に描かれることが多い、人気の神造兵装です。
神話での記述の曖昧さ
場所の名前?武器の名前?
実は古エッダにおいて「イチイバル(Ydalir)」は、ウル神の住居の名前(イチイの谷)として登場します。しかし、「イチイの木」は弾力があり弓の材料として最高級であったことから、後世の解釈や創作の中で「ウルの持つ最強の弓」の名前として定着しました。
一射で百を討つ
その能力は「一度弦を引けば、雨あられのごとく矢が降り注ぐ」と形容されます。一人の手で一軍を壊滅させる、まさに面制圧兵器としての側面が強調されています。
シンフォギアでの大活躍
物理火力最強のシンフォギア
『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズでは、雪音クリスが纏う聖遺物として登場。弓だけでなく、ガトリングガンやミサイルランチャーに変形し、圧倒的な弾幕で敵を粉砕する姿が描かれました。「イチイバル=弾幕・重火力」というイメージを決定づけた作品と言えます。
FEシリーズでの聖弓
『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』などのシリーズ作品でも、伝説の弓として登場します。こちらでは攻撃力だけでなく、使用者の能力を底上げする強力なアイテムとして描かれ、弓兵キャラクターの最強装備の定番となっています。
解釈の広がり
元々は「イチイの谷」という地名だった可能性が高い言葉が、ここまで具体的な武器のイメージとして成長したのは面白い現象です。北欧神話の「誓いの指輪(ウルの指輪)」に関連する権威ある神としての側面と、狩猟のイメージが結びつき、必中かつ大量の矢を放つ最強の弓というアイデンティティを獲得したのです。
まとめ
静かな森の狩人が持つ弓から、戦場を焼き払う魔弓へ。イチイバルは、神話の断片が現代の想像力によって大きく花開いた武器の一つです。