「武林の至尊、宝刀屠龍、号令天下、誰敢不従(武林の至宝、屠龍刀。これで天下に号令すれば、誰が従わずにいられようか)」。中国圏で知らない人はいないと言われるほど有名なキャッチコピーを持つこの刀は、数多の英雄たちが血で血を洗う争奪戦を繰り広げた、武侠界最高のアドバンテージ・アイテムです。
黒鉄の巨刀
規格外の重さ
屠龍刀は、玄鉄(隕鉄)で作られた漆黒の大刀で、常人では持ち上げることすらできないほどの重量があります。しかし、内功(気)を極めた達人が振るえば、その重さ自体が破壊力となり、触れた敵の武器を紙のように粉砕します。また、強い磁気を帯びており、暗器(手裏剣など)を吸い寄せて無効化する能力も持っています。
対なる剣「倚天剣」
この刀と対をなすのが、鋭利さを極めた「倚天剣(いてんけん)」です。「重厚な屠龍」と「鋭利な倚天」。この二つがぶつかり合った時、刀身が折れ、中から真の宝が現れるように設計されていました。
隠された秘密
兵法書の隠し場所
屠龍刀の中には、伝説の将軍・岳飛が記した兵法書『武穆遺書』が隠されていました。「天下に号令する」とは、単に刀が強いからではなく、この兵法書を得て軍を率い、異民族(元)を追い払って中華を取り戻すという意味だったのです。ファンタジーな武器に見えて、実は非常に現実的な「国盗りのためのツール」だったというわけです。
【考察】アーサー王伝説との比較
「王の証」としての剣
「剣を抜いた者が王になる」エクスカリバーと同様、屠龍刀もまた「これを持つ者がリーダーになる」という王権の象徴です。洋の東西を問わず、優れた武器は権力の正当性を保証するアイテムとして機能してきました。
まとめ
屠龍刀は、単なる切れ味鋭い刃物ではなく、人々の「天下統一」への野望が形になったものです。重いのは鉄の重さではなく、そこに込められた権力の魔力なのかもしれません。