クレタ島の迷宮ラビリンスで牛頭人身の怪物ミノタウロスを退治した英雄テセウス。アテナイの王として国を治めた彼は、知勇兼備の英雄として称えられています。
迷宮への挑戦
ミノタウロス退治
アテナイから生贄として差し出される若者たちを救うため、テセウスは自ら志願してクレタ島の迷宮へ向かいました。
アリアドネの糸
クレタの王女アリアドネはテセウスに恋をし、彼に「糸玉」を渡しました。テセウスは入り口に糸を結び、それを辿って帰ることで、脱出不可能と言われた迷宮から生還することができました。
その後のテセウス
置き去りにされたアリアドネ
帰路、彼はナクソス島でアリアドネを置き去りにしてしまいます(ディオニュソス神の介入など諸説あり)。このエピソードは多くの芸術作品の題材となりました。
テセウスの船
彼が乗っていた船は、アテナイの人々によって長い間保存され、朽ちた部品が交換され続けました。「全ての部品が置き換わった時、それは元の船と同じと言えるのか?」という「テセウスの船」のパラドックスは、ここから生まれました。
アイゲウスの海
帰還の際、テセウスは生存の合図である「白い帆」を掲げるのを忘れ、黒い帆のまま帰港してしまいます。これを見た父アイゲウス王は、息子が死んだと絶望して海に身を投げました。以来、その海は「エーゲ海」と呼ばれるようになりました。
ペイリトオスとの盟約
ラピテス族の王ペイリトオスとは無二の親友でした。二人は「ゼウスの娘を妻にする」という無謀な誓いを立て、テセウスは幼いヘレネーを誘拐し、ペイリトオスはなんと冥界の女王ペルセポネを奪おうとしました。この暴挙により二人は冥界に捕らえられ、テセウスだけが後にヘラクレスによって救出されました。
悲劇の英雄王
アテナイの王として善政を敷いたテセウスですが、晩年は不遇でした。政争に敗れてアテナイを追放され、逃亡先のスキュロス島で、リュコメデス王によって崖から突き落とされ、その波乱の生涯を閉じました。
現代での評価
英雄と人間臭さ
偉業を成し遂げた一方で、女性関係のトラブルや冥界への無謀な挑戦など、人間臭い失敗や欠点も多く語られる、親しみやすい英雄です。
まとめ
テセウスは、その強力な能力やエピソードから、現代の多くの作品でも重要な役割を担っています。ギリシャ神話を知る上で欠かせない存在と言えるでしょう。