英雄アキレウスが「自分の命よりも大切だ」と公言した唯一の男。その優しさと勇気が、トロイア戦争の局面を大きく動かしました。最強の英雄の影ではなく、光のような存在だったパトロクロス。
パトロクロスとはどのような英雄か?
トロイア戦争におけるギリシャ軍の武将の一人です。幼少期からアキレウスと共に育った年上の親友(あるいは恋人)であり、従者です。アキレウスが総大将アガメムノンと喧嘩して戦場に出ることを拒否した際、パトロクロスは味方の苦境を見かねて、アキレウスの鎧を借りて出陣しました。彼の活躍でトロイア軍を押し返しましたが、最後はトロイアの王子ヘクトルに討たれました。彼の死が、アキレウスを復讐と死の運命へと駆り立てることになります。
伝説でのエピソード
借り物の鎧
彼はアキレウスの神造の武具を身に着けて戦い、誰もが「アキレウスが戻ってきた!」と恐怖しました。しかし彼自身の武勇も凄まじく、サルペードーンなど名だたる敵将を討ち取りました。
葬儀競技
パトロクロスの死後、アキレウスは盛大な葬儀競技会を主催しました。これは古代オリンピックの起源の一つとも考えられており、『イリアス』の中でも重要なパートを占めています。
後世への影響と言及
アキレウスとの関係
古代ギリシャにおいて、年上の愛人(エラステス)と年下の少年(エロメノス)の関係の理想形として語られました。プラトンの『饗宴』などでも言及されています。
現代の解釈
マデリン・ミラーの小説『アキレウスの歌』では、二人の愛の物語が現代的な視点で描かれ、世界的なベストセラーとなりました。
【考察】その本質と象徴
優しさという強さ
彼はアキレウスのような超人的な強さは持っていませんでしたが、傷ついた仲間を治療したり、味方のために無謀な出撃をする「共感力」と「優しさ」を持っていました。それが彼を真の英雄にしているのです。
まとめ
彼の死が最強の英雄を動かした。その名は「父の栄光」を意味しますが、彼自身の栄光は永遠に語り継がれます。