「愛する人のためなら、世界中で一番残酷な魔女にだってなれる」。ギリシャ神話に登場するコルキスの王女メディアは、英雄イアソンへの恋心から、家族も故郷も捨てて彼に尽くしましたが、その結末はあまりにも悲惨なものでした。
裏切りと復讐の生涯
弟を八つ裂きに
イアソンと共に「金羊毛」を奪って逃げる際、追ってくる父王を足止めするために、弟を殺してバラバラにし、海に撒き散らすという狂気的な手段を取りました。
我が子殺し
あらゆる悪事に手を染めて尽くしたにも関わらず、イアソンは別の王女との結婚を決めます。絶望と憎悪に狂った彼女は、イアソンへの最大の復讐として、彼との間に生まれた自分の子供たちを殺害し、竜の戦車に乗って去っていきました。
竜の戦車とその後
イアソンへの復讐を果たした後、彼女は祖父である太陽神ヘリオスから贈られた竜の戦車に乗ってアテナイへと逃れました。その後も各地を放浪し、数々の伝説を残したとされています。情熱的すぎるがゆえに破滅的な行動に走ってしまう彼女ですが、その根底にあるのは純粋すぎるほどの愛でした。神話において、これほどまでに強烈な感情を持って描かれた女性は他に類を見ません。
Fateシリーズでの「キャスター」
現代で掴んだ幸せ
『Fate/stay night』ではキャスターとして召喚されます。当初は冷酷な魔女として振る舞いますが、新たなマスター葛木宗一郎との出会いにより、初めて「裏切られない愛」を知り、献身的な妻のような一面を見せるようになります。料理やフィギュア作りが趣味という意外な設定も。
現代への影響
彼(彼女)の伝説は、現代のポップカルチャーにも多大な影響を与えています。小説、漫画、ゲームなど、様々なメディアで描かれるその姿は、世代を超えて多くの人々を魅了し続けています。史実(神話)とフィクションが入り混じることで、キャラクターとしての深みが増し、新たな「英雄像」として再構築されていると言えるでしょう。私たちは物語を通じて、彼らの生きた時代や想いに触れることができるのです。
まとめ
魔女メディアの物語は、愛が執着に変わった時の恐ろしさと、それでも愛を求めずにはいられない人間の業を映し出しています。