東の空から西の空へ、黄金の戦車で駆け抜ける真の太陽神。全てを見通すその目は、神々の不正すらも見逃しません。アポロンと混同されがちですが、彼こそが元祖。
ヘリオスとはどのような神か?
ギリシャ神話における太陽の化身です。ティタン神族のヒュペリオンとテイアの息子。毎日黄金の戦車(4頭の火の馬)に乗って大空を駆け巡り、地上に光をもたらします。夜は巨大な黄金のカップに乗って海を渡り、東へ戻ります。後にアポロンと同一視されるようになりましたが、本来は別の神格です。すべてを照らすため、「全てを見通す目」を持ち、誓いの証人として呼び出されることもありました。
神話でのエピソード
パエトーンの墜落
息子パエトーンにせがまれて太陽の戦車を貸しましたが、パエトーンは御しきれずに暴走させてしまい、世界を焼き尽くしそうになりました。ゼウスは雷でパエトーンを撃ち落とし、ヘリオスは悲しみに暮れました。
オデュッセウスの部下
『オデュッセイア』では、トリナキエ島で彼が大切にしていた牛をオデュッセウスの部下たちが食べてしまったため、激怒してゼウスに訴え、彼らの船を沈没させました。
信仰と後世への影響
ロドス島の巨像
世界の七不思議の一つ「ロドス島の巨像(コロッソス)」は、ヘリオスを模した巨大な像でした。港の入り口にまたがって立っていたと言われます。
現代への影響
元素の「ヘリウム」は、太陽(ヘリオス)の中に発見されたことから名付けられました。
【考察】その本質と象徴
規則正しさの象徴
毎日決まった時間に昇り、沈む太陽の運行は、宇宙の秩序(コスモス)そのものです。彼が休めば世界は闇に閉ざされます。
誓いの守護者
彼の「全てを見る目」は、犯罪や密約を暴く力があるとされ、古代ギリシャの法廷や契約の場では、ヘリオスの名を挙げて誓いを立てることが通例となっていました。嘘をつけば太陽に焼かれると信じられていたのです。
まとめ
彼が空にある限り、世界から影はなくなりません。まばゆい光は、真実を暴き出します。