ヘラクレス、オルフェウス、双子のカストルとポルックス……。ギリシャ神話オールスターと言える最強の英雄集団「アルゴノーツ」。この個性派集団を率いた船長が、イアソンです。彼自身には怪力も魔法もありませんが、なぜか超人たちが彼のもとに集まり、彼のために命を懸けました。「英雄を英雄たらしめる英雄」、その数奇な運命とは?
最強チームのリーダー
黄金の羊の毛皮を求めて
叔父に奪われた王位を取り戻すため、遥か彼方のコルキスにある秘宝「金羊毛(ゴールデン・フリース)」を持ち帰ることを命じられたイアソン。彼は巨大な船アルゴ号を建造し、全ギリシャに冒険者を募集しました。すると、当時の英雄たちがこぞって参加を表明したのです。
凡人ゆえの求心力
イアソン個人の戦闘力は、仲間に比べれば一般人レベルです。しかし、彼は誰よりも「なんとかなりそう」と思わせる愛嬌と、ここ一番での決断(あるいは無鉄砲さ)を持っていました。強すぎる英雄たちにとって、守るべき「旗印」として機能したのかもしれません。
魔女メディアとの愛憎
勝利の女神の支援
冒険の成功は、コルキスの王女であり強力な魔女であるメディアの裏切りと協力によるものでした。メディアはイアソンに恋をし、父や弟を犠牲にしてまで彼を助け、金羊毛を奪取させました。
裏切りの代償
帰国後、イアソンはメディアのあまりに残酷な魔術(若返りの詐欺で敵王を釜茹でにする等)を恐れ、別の国の王女と結婚しようとします。怒り狂ったメディアは、その王女と、自らとイアソンの間に生まれた子供たちをも殺害し、竜の戦車に乗って去っていきました。全てを失ったイアソンは、老朽化したアルゴ号の残骸の下敷きになって孤独に死んだと伝えられています。
現代での再評価
Fate/Grand Orderでの人気
かつては「女を利用した卑怯者」という評価も多かったイアソンですが、FGOでの実装により評価が一変しました。「自分は弱いが、仲間の強さを完全に信頼して使いこなす指揮官」としての有能さと、コミカルな“ヘタレ”キャラが同居する独特の魅力が描かれ、非常に人気の高いサーヴァントとなっています。
【考察】古代のリーダーシップ論
武力か、統率力か
アキレウスやヘラクレスのような「個の武力」ではなく、イアソンは「組織を動かす力」を持った、ある意味で非常に近代的なリーダー像の先駆けと言えます。彼の物語は、個人の能力には限界があっても、人を集めれば偉業が成せることを示しています。
まとめ
栄光の絶頂から、孤独な最期へ。イアソンの人生は、英雄譚の輝きと影を余すところなく体現しています。