神々が最強の王ギルガメッシュを諫めるために作った、泥人形にして唯一無二の親友。野獣の如き荒々しさと、理知的な心を併せ持つエルキドゥは、英雄王と対等に渡り合える世界でただ一人の存在です。
エルキドゥとはどのような英雄か?
シュメール神話の『ギルガメシュ叙事詩』に登場する英雄です。暴君となっていたギルガメッシュ王を止めるため、創造神アルルによって粘土と唾液から作られました。最初は荒野で獣と共に暮らす野人でしたが、聖娼シャムハトによって知性と人間性を教えられ、ウルクへ向かいました。ギルガメッシュとの激闘の末に親友となり、数々の冒険を共にしましたが、神々の怒りに触れて病死しました。彼の死はギルガメッシュに死への恐怖と不老不死の探求を植え付けました。
伝説でのエピソード
天の牛との戦い
女神イシュタルがギルガメッシュに振られた腹いらせに送り込んだ「天の牛」を、二人は協力して撃退しました。しかしエルキドゥがイシュタルを侮辱(牛の腿を投げつけた)したため、神々の決定により彼が死ぬことになりました。
遺言
死の床で彼は、自分を人間界へ連れ出したシャムハトなどを呪いましたが、太陽神シャマシュに諭されて感謝の言葉に変えました。彼の死に際し、ギルガメッシュは悲嘆のあまり野獣のように泣き叫んだといいます。
後世への影響と言及
Fateシリーズ
『Fate』シリーズでは、性別を超越した美しい緑髪のランサーとして登場し、絶大な人気を誇ります。「天の鎖」として神性を縛る能力を持ち、ギルガメッシュとの関係性は作品の核の一つとなっています。
バディものの元祖
ギルガメッシュとエルキドゥの物語は、人類最古の「相棒(バディ)物語」と言えます。
【考察】その本質と象徴
自然と文明
野人だった彼が文明化され、王と友になり、そして死ぬ。このプロセスは、人間が自然状態から離れて社会化し、最後に死という運命を受け入れるまでの縮図です。
まとめ
君となら、世界の果てまで行けると思った。泥から生まれ、土へと還った、美しき緑の彗星。