四天王の中で、南の方角を守護するのが増長天です。「増長」という言葉には現代ではあまり良いイメージがないかもしれませんが、本来は「大きく育てる」「成長させる」というポジティブな意味を持ちます。人々の能力を伸ばし、五穀豊穣をもたらす、まさに成長の神様なのです。
増長天とは?
名前の意味
サンスクリット語では「ヴィルーダカ」と呼ばれ、「成長した者」「芽生え」を意味します。ここから「増長天」と訳されました。自らの徳を増長させ、他者の徳も増長させるという意味が込められています。須弥山の南側、瑠璃埵(るりた)に住んでいます。
配下の鬼神
増長天は、鳩槃荼(くはんだ)と薜茘多(へいれいた)(餓鬼)を配下としています。これらは本来人間に害をなす存在ですが、増長天の力によって仏法を守る役目に就いています。
力強いその姿
赤い肌と忿怒相
多くの増長天像は、情熱や活力を表す赤い肌で表現されます。持国天同様、怒りの表情(忿怒相)で邪鬼を踏みつけていますが、これは悪を許さない強い意志の表れです。
武器と構え
片手を腰に当て、もう片方の手で戟(げき)や槍を持つ姿が一般的です。堂々とした立ち姿は、南方の熱気と生命力を象徴しているかのようです。
増長天のご利益
成長と豊穣
「増長」の名が示す通り、五穀豊穣や商売繁盛、そして個人の能力向上や学業成就にご利益があるとされています。何か新しいスキルを身につけたい時や、成長の壁にぶつかった時に頼りになる神様です。
【比較】他の四天王との違い
カラーリング
四天王はしばしば色で区別されます。持国天が青(または緑)、広目天が白、多聞天が黒(または紺)であるのに対し、増長天は赤で表されることが多いのが特徴です。
まとめ
増長天は、私たちの中にある「伸びしろ」を引き出してくれるパワフルな神様です。最近成長を感じられない時は、南に向かって増長天に祈ってみるのも良いかもしれません。