四天王の中で、西の方角を守護するのが広目天です。他の荒々しい四天王像とは一線を画し、筆と巻物を持ち、鋭い眼光で静かに世を見据える姿が特徴的です。「広い目」の名が示す通り、尋常ならざる視力で世界の隅々まで監視し、正しい教えを守ろうとしています。
広目天とは?
名前の意味
サンスクリット語では「ヴィルーパークシャ」と呼ばれ、これは「種々の眼をした者」「醜い眼をした者」など様々な解釈がありますが、漢訳では「特殊な力を持つ眼」という意味を込めて「広目天」とされました。須弥山の西側、白銀埵(はくぎんた)に住んでいます。
龍を従える
広目天は、水の神であり強大な力を持つ**龍王(ナーガ)**や、富単那(ふたんな)という鬼神を配下にしています。龍を従えていることから、雨乞いなどのご利益とも結び付けられることがあります。
知性あふれる姿
筆と巻物
多くの四天王が武器を振り上げているのに対し、広目天はしばしば筆と巻物を手にしています。これは、世界の出来事や人々の行いをすべて記録しているとも、仏教の経典を守っているとも言われています。武力ではなく、知力と情報で戦うタイプと言えるでしょう。
鋭い眼光
怒りの表情(忿怒相)ではありますが、ただ暴れるような怒りではなく、悪を見逃さない鋭い眼光が特徴です。特に東大寺戒壇堂の広目天像は、その渋い表情で多くの仏像ファンを魅了しています。
広目天のご利益
学業と知恵
筆を持っていることから、学業成就や知恵増進のご利益があるとされています。また、全てを見通す力にあやかり、先見の明を得たい経営者やリーダーにも信仰されています。
【余談】現代での広目天
監視カメラの元祖?
「千里眼ですべてを見通し、記録する」という役割は、現代でいう監視カメラやデータベース管理者に近いかもしれません。セキュリティの神様といっても過言ではないでしょう。
まとめ
広目天は、力任せではなく冷静な観察眼と知性で仏法を守る、クールな守護神です。何かを見極めたい時、正しい判断をしたい時は、広目天の知恵を借りてみてはいかがでしょうか。