古代エジプト最強の神アムンの妻であり、その名はズバリ「母」を意味します。テーベの三柱神の一柱として、ファラオの守護者として君臨した偉大なる母神ムト。
ムトとはどのような神か?
古代エジプトの女神で、テーベ(ルクソール)において主神アムンの妻、コンス神の母として信仰されました。彼女の名前は古代エジプト語で「母」を意味します。元々はハゲワシの姿をした女神でしたが、後にライオンの頭を持つ姿や、エジプトの二重冠を被った人間の姿で描かれるようになりました。セクメトやハトホルといった他の強力な女神と習合し、「世界眼の貴婦人」として崇められました。
神話でのエピソード
ファラオの母
彼女は地上の王であるファラオの神話的な母と見なされました。多くのファラオがカルナック神殿内に彼女のための壮大な神殿を建設しました。
目が覚めると…
神話的なエピソードは少ないですが、夫アムンが国家神として最高権力を握るにつれ、彼女の地位も不動のものとなりました。彼女は「神々の女王」なのです。
信仰と後世への影響
カルナック神殿
現存するムトの神殿地区は広大で、数百体のセクメト像(ムトと習合した姿)が並んでいます。その威容は当時の信仰の厚さを物語っています。
ヒエログリフ
「ムト」を表すヒエログリフはハゲワシです。古代エジプトではハゲワシはメスだけで繁殖すると信じられており、母性の象徴でした。
【考察】その本質と象徴
統合された母性
地域ごとの様々な母なる女神の要素を吸収し、国家レベルの「母」へと進化した存在です。
三柱神の役割
テーベにおいて、夫アムン、息子コンスと共に三柱神を形成しますが、ムトはその中心で「家族」という概念を神聖化する役割を担いました。彼女は単なる妻ではなく、宇宙の調和を保つための母性原理そのものとして崇められたのです。
まとめ
彼女は特定の物語を持たない代わりに、全ての物語の「母」となりました。その翼はエジプト全土を覆っています。