東のペルシャから西のローマ帝国まで、世界中を熱狂させた「契約」と「太陽」の神ミスラ。彼の誕生日は12月25日であり、クリスマスの起源になったとも言われています。
ミスラとはどのような神か?
ミスラ(ミトラ)は、古代インド・イラン共通の古い神格で、契約・友情・誓約を司ります。ゾロアスター教ではアフラ・マズダに次ぐ英雄神として、ローマ帝国では軍神・太陽神として兵士たちに絶大な人気を誇る「ミトラ教」の主神として崇められました。
神話での伝説とエピソード
聖牛の供儀
ミトラ教の象徴的な図像は、ミスラが雄牛を屠っているシーンです。この牛の血から穀物や植物など、地上の生命が誕生したとされます。
弥勒菩薩へ
東方に伝わったミスラ信仰は、仏教に取り入れられて「弥勒菩薩(マイトレーヤ)」となり、未来に人々を救う仏として定着しました。
タウロクトニー(牛殺し)
ミトラ教の地下神殿(ミトラエウム)には、必ず「雄牛を屠るミトラ」の像が飾られていました。この牛は原初の生命力の象徴であり、その流れる血から小麦やブドウなどの豊穣が生まれたとされます。蠍や蛇、犬などがその血を舐めようとする図像は、善と悪の勢力が生命エネルギーを奪い合う宇宙的なドラマを描いています。
現代作品での登場・影響
キリスト教との競合
古代ローマではキリスト教と勢力を二分するライバルでした。ミトラの祭日(冬至祭)が後にイエスの誕生日として設定されたという説は、宗教学上の大きなトピックです。
握手
「契約」の神であることから、現代の「握手」という習慣の起源に関わっているとも言われます。
【考察】その強さと本質
約束の力
法や契約が社会の基盤となり始めた時代において、誓いを破ることへの恐怖と、約束を守る者への加護を象徴する神でした。
まとめ
名前を変え、世界宗教の根幹に影響を与え続けたミスラ。歴史の陰には常に彼の光がありました。