英語の「Hygiene(衛生)」の語源となった女神をご存知でしょうか。医神アスクレピオスの娘であり、父が「治療」を行うのに対し、「健康維持」と「清潔」を司るのがヒュギエイアです。薬学のシンボルとして世界中の薬局で見かける彼女ですが、神話ではどのような存在だったのでしょうか。
ヒュギエイアの杯
薬学の象徴
彼女は常に大きな杯を持ち、そこに父の聖獣である蛇を巻きつかせている姿で描かれます。この「杯と蛇」のモチーフは「ヒュギエイアの杯」と呼ばれ、現在でも世界中の薬学部や薬局のシンボルマークとして採用されています。蛇が毒(薬)を象徴し、杯が調合を表しているとされます。
パンデミックと信仰
救いの女神
古代ギリシャで疫病(ペストなど)が流行した際、アスクレピオスと共にヒュギエイアへの信仰が爆発的に高まりました。人々は、病気になってから医者にかかるよりも、日頃から彼女を敬って健康を保つことの重要性を理解していたのです。
まとめ
ヒュギエイアは、現代医学における「予防医療」の先駆的な概念を擬人化した存在であり、健康とは失ってから取り戻すものではなく、日々の衛生管理によって守るべきものであると教えています。