太陽が日天なら、夜空に輝く月は**月天(がってん)**です。勢至菩薩の化身ともされ、熱を取り除き、清らかな潤いを与える神様です。元はインド神話の「ソーマ」または「チャンドラ」と呼ばれ、不老不死の霊薬(アムリタ)を管理する神でもありました。
ガチョウに乗る貴公子
優雅な移動
月天は、数羽のガチョウ(鵞鳥)の上に座るか、それらが引く車に乗った姿で描かれます。白い肌をした美しい貴公子のような姿で、静けさと知性を漂わせています。
癒やしと再生
月の兎の伝説
右手に月輪(がちりん)を持ち、その中には兎(うさぎ)が描かれることがあります。これは帝釈天のために自らを捧げた兎を月に昇らせたというジャータカ神話に由来します。慈悲と自己犠牲の精神を象徴しています。
仏教における位置づけ
日月並び称される
密教の曼荼羅では、日天と対の位置に配置され、陰陽のバランスを保っています。日天が「活動・熱・昼」を象徴するなら、月天は「静寂・冷・夜」を象徴し、人々の興奮を鎮め、安らぎを与えます。
まとめ
静かな夜、月を見上げると心が落ち着くのは、月天の功徳かもしれません。忙しい日々に疲れを感じた時は、月天の光を浴びてみてはいかがでしょうか。