美の女神フレイヤの双子の兄であり、日光と雨、そして平和を司る北欧神話きってのモテ男。戦いよりも愛と繁栄を好むイケメンですが、その「愛」のために最強の武器をあっさり捨ててしまい、世界の終わりの最終決戦で悲劇を迎える、少し抜けたところも魅力的な神様フレイ。恋に生きた豊穣神の、人間味あふれる失敗談と活躍を紹介します。
フレイとはどんな神か?
誰もが憎めない人気者
アース神族と敵対していたヴァン神族の出身で、人質交換としてアースガルズに来ましたが、その美しさと優しさですぐに人気者になりました。彼が歩けば草木は芽吹き、争いは収まると言われます。妖精の国アルフヘイムの王でもあります。
魔法の宝物たち
彼はドワーフ製の素晴らしい宝物をいくつも持っていました。 1.スキーズブラズニル: 帆を張れば必ず追い風が吹き、使わない時はハンカチのように折り畳んでポケットに入る巨大な魔法の船。 2.グリンブルスティ: 空や海を昼夜問わず駆け抜け、その金色の毛であらゆる闇を照らす魔法の猪。 3. 勝利の剣: 賢く振る舞えば、持ち主の手を離れて自動で巨人をなぎ倒す、絶対勝利が約束された最強の剣。
一目惚れの代償
ゲルズへの恋
ある日、オーディンの玉座に勝手に座って世界を見渡したフレイは、巨人の国にいる美女ゲルズに一目惚れしてしまいます。「彼女と結婚できないなら死ぬ」と部屋に引きこもってしまった彼を見かねて、従者スキールニルが求婚の使いに行くことになりました。しかし、スキールニルはその報酬として「自動で戦う勝利の剣」を要求しました。恋に狂っていたフレイは、迷わずその剣を渡してしまったのです。
鹿の角で戦うラグナロク
剣を失った代償は、神々の最終戦争「ラグナロク」で払うことになりました。武器を持たない彼は、「鹿の角」を拾って勇敢に戦いました。炎の巨人スルト相手に善戦しましたが、流石に鹿の角では最強の巨人には勝てず、スルトの炎の魔剣によって焼き殺されてしまいました。もしあの時、剣を手放していなければ、フレイはスルトに勝利し、世界は滅びなかったかもしれないと言われています。
まとめ
フレイは、平和な時代には最高の王ですが、個人の愛のために公的な力(剣)を捨てたその選択が、結果として神話の終焉を招いてしまいました。彼の一途さと愚かさは、愛の持つ恐ろしさを物語っています。