シュメール神話において、人間を造り、大洪水から人類を救ったとされる知恵の神エンキ。現代の都市文明の基礎を築いたとも言われる、偉大なるトリックスターです。
エンキとはどのような神か?
エンキ(アッカド語ではエア)は、淡水・知恵・魔法を司る神です。天の神アヌ、風の神エンリルと共に最高神の一柱として崇められました。特に人間に対して好意的で、文明の基礎となる「メー(天命・文化規範)」を管理し、人々に農業や灌漑、文字などを教えました。彼は深淵(アプスー)と呼ばれる地下の淡水の世界に住んでいます。
神話での伝説とエピソード
人類の創造
神々の労働があまりに過酷でストライキが起きたため、エンキは粘土から人間を造り出し、神々の代わりに働かせることを提案しました。こうして最初の人類が誕生しました。
大洪水伝説とドッキリ
最高神エンリルが、増えすぎてうるさい人間を滅ぼそうと大洪水を起こした際、エンキは「人間と話してはいけない」という禁を破るため、壁に向かって独り言を言うふりをして賢者アトラ・ハシース(あるいはジウスドゥラ)に舟を作るよう助言しました。これにより人類の種は存続し、エンリルも最後にはそれを認めました。
現代作品での登場・影響
Fate/Grand Order
キャスター・ギルガメッシュの幕間などでその存在が語られ、神代の魔術や知恵の象徴として扱われます。ウルクの繁栄の影には彼の影響があります。
古代宇宙飛行士説
一部のオカルト説やゼカリア・シッチンの著作では、人類のDNAを操作した宇宙人アヌンナキの科学者として解釈されることもありますが、これはあくまで現代の創作的な解釈です。
【考察】その強さと本質
最初の技術者
水を治め、灌漑を行い、文明をもたらしたエンキは、人類史上最初のエンジニアであり科学者の神格化とも解釈できます。知恵で問題を解決する姿勢は現代的でもあります。
まとめ
常に人間の味方であり続け、ユーモアと機知で危機を救ったエンキ。彼の知恵は、今も私たちの文明の根底に流れています。