タペヤラ(Tapejara)は、白亜紀前期のブラジルに生息していた翼竜です。学名はトゥピ族の神話に登場する「古き存在」を意味します。その最大の特徴は、頭部にある巨大で派手なトサカ(クレスト)です。プテラノドンとは異なり、くちばしは短く下向きに曲がっており、独特の風貌をしていました。
ヨットの帆のようなトサカ
頭の上には骨質の突起があり、そこから後頭部にかけて皮膚の膜が張られた巨大なトサカがありました。このトサカは飛行中の舵取り(ラダー)として機能したという説もありますが、現在では主に「ディスプレイ」としての役割が大きかったと考えられています。鮮やかな色で仲間を識別したり、異性を惹きつけたりするために使われたのでしょう。風を受けるとバランスを崩しやすいため、強風の中での飛行は苦手だったかもしれません。
果実食の翼竜?
多くの翼竜が魚食性であるのに対し、タペヤラのくちばしは短く頑丈で、先端が下を向いています。この形状は、魚を捕まえるよりも、木の実や果実をついばんだり、小動物を捕食したりするのに適しているという説があります。オオハシやサイチョウのようなニッチを占めていた可能性があり、翼竜の食性の多様性を示す重要な例です。
地上での活動
近縁種の研究から、タペヤラ類は飛行だけでなく、地上を四足歩行で歩き回るのも得意だったと考えられています。森の中や水辺を歩きながらエサを探していたのでしょう。彼らの化石は、魚類や昆虫の化石が豊富なサンタナ層から発見されており、豊かな生態系の中で暮らしていました。
まとめ
タペヤラの奇抜なデザインは、翼竜が決して「ただ飛ぶだけの爬虫類」ではなく、環境に合わせて驚くべき適応を遂げた生物群であることを教えてくれます。