リヴィアタン(Livyatan)は、約990万年前〜890万年前(中新世後期)の海に君臨した、巨大なマッコウクジラの仲間です。旧約聖書の怪物「レヴィアタン」と、作家ハーマン・メルヴィルにちなんで「リヴィアタン・メルビレイ」と名付けられました。メガロドンと並ぶ、当時の海の二大巨頭です。
史上最大の歯
現生のマッコウクジラは下顎にしか歯がなく、イカを吸い込んで食べますが、リヴィアタンは上下の顎に太さ12センチ、長さ36センチ以上の巨大な歯がびっしりと並んでいました。これは捕食目的で使われる歯としては、地球史上最大です。
クジラを殺すクジラ
この恐るべき顎は、小型のヒゲクジラ類を襲い、骨ごと噛み砕くために進化しました。シャチのように集団で狩りをした可能性もありますが、単体でも十分な殺傷力を持っていました。同時代の海には巨大サメのメガロドンも生息しており、獲物を巡って激しい争いを繰り広げていたと想像されます。
ペルーの砂漠
2008年、ペルーのピスコ累層(かつて海だった砂漠)で、頭骨の75%が残る極めて保存状態の良い化石が発見されました。これにより、伝説上の存在だった「肉食の巨大マッコウクジラ」が実在したことが証明されました。
まとめ
リヴィアタンは、海洋哺乳類が到達した「強さ」の頂点です。小説『白鯨』の世界を地で行くこの怪物は、かつての海がいかに暴力的な世界であったかを教えてくれます。