リードシクティス(Leedsichthys)は、ジュラ紀の海を回遊していた史上最大の魚類(硬骨魚類)です。その大きさは現生のジンベエザメを超え、最大で16メートル、一説には20メートル以上に達したと言われています。発見者のアルフレッド・リーズにちなんで名付けられました。巨大な体を持っていましたが、性格は温厚なプランクトン食の巨人でした。
生きた濾過装置
リードシクティスの口には歯がなく、代わりにエラに「鰓耙(さいは)」と呼ばれるフィルター状の組織が発達していました。彼らは大きな口を開けて海水を大量に飲み込み、このフィルターでオキアミや小魚、クラゲなどを漉し取って食べていました。何万トンもの海水を濾過する、ジュラ紀の海の掃除機のような存在でした。
骨の謎
彼らの骨格の大部分は軟骨でできていたため、化石として残りにくく、正確な全長を知ることは困難です。断片的な化石から推定されるサイズは研究者によって差がありますが、それでも「とてつもなく巨大な魚」であったことは間違いありません。成長速度も非常に速く、短期間で巨体に成長したと考えられています。
巨人の受難
その巨体にもかかわらず、彼らは決して安全ではありませんでした。当時の海には、リオプレウロドンやメトリオリンクス(海生ワニ)、ヒボドゥス(サメ)などの獰猛な捕食者が溢れていました。リードシクティスの化石には、これらの捕食者に噛まれた痕跡が残っているものもあります。彼らは攻撃されると身を守る術が少なく、装甲も持たないため、その巨体と厚い脂肪、そして群れで泳ぐことで生き延びていたのでしょう。
まとめ
リードシクティスは、中生代の海における生産力の高さを象徴する生物です。この優しき巨人が悠々と泳ぐ姿は、ジュラ紀の海を一層神秘的なものにしています。