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ジラント:カザン市の紋章となったタタールのドラゴン【ロシア伝承】

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ジラント / Zilant
ジラント

ジラント

Zilant
ロシア / タタール伝承幻獣 / 竜種
危険度★★★
大きさ大型犬〜人間サイズ
特殊能力飛行、火を吐く、毒
弱点英雄、火
主な登場
カザン市の旗紋章学ファンタジーRPG

ロシアの古都カザンの旗には、王冠をかぶった奇妙なドラゴンが描かれています。彼の名は「ジラント(Zilant)」。かつて人間と敵対し、戦いに敗れた蛇の王ですが、今ではその都市の誇り高きシンボルとして愛されています。

鶏の足を持つ蛇

独特なシルエット

ラントは、一般的な西洋ドラゴンとは少し違います。蛇の体に、鶏のような足が2本生えており、コウモリのような赤い翼を持っています。頭には王冠を戴き、尻尾はくるりと渦巻いています。バジリスクコカトリスに近い特徴を持っています。

蛇の王

伝説によると、カザンの建設予定地だった丘には無数の蛇が棲んでおり、ジラントはその支配者でした。彼は非常に賢く、強力な魔力を持っていました。

追放と和解(?)

焼き討ち作戦

人間たちは都市を作るために、藁(わら)を使って丘を焼き払い、蛇たちを退治しました。ジラントだけは生き延びて近くの湖に逃げ込み(あるいは人間に復讐するために飛び去り)、時折現れては人々を襲ったと言われます。

守護者への転身

しかし時が経つにつれ、その強さと威厳から、ジラントは「都市の守護者」や「知恵の象徴」として再評価されるようになりました。16世紀以降、正式にカザンの紋章として採用され、現在でも街の至る所にジラントの像が立っています。

現代のジラント

サッカーチームのロゴ

地元カザンのスポーツチーム(ルビン・カザン)のロゴマークにもジラントが描かれており、市民生活に完全に溶け込んでいます。

ゲームでの扱い

RPGなどでは、王冠をかぶった特殊なドラゴンや、毒を持つ中ボスとして登場することがあります。

【考察】自然との闘争

開拓の歴史

ラントの伝説は、湿地帯や森林を開拓して都市を建設した人類と、そこにもともと住んでいた野生動物(蛇)との闘争を神話化したものと考えられます。「害獣」が「守萌神」へと変化するプロセスは、人類の自然観の変化を表しています。

まとめ

ラントは、倒されるべき怪物から、尊敬されるシンボルへと「出世」した、稀有なドラゴンです。その姿は、古い歴史を持つカザンの街のアイデンティティそのものです。