英雄ヘラクレスのトレードマークといえば、頭からかぶったライオンの毛皮です。あの毛皮の持ち主こそが、このネメアの獅子。剣も槍も矢も一切通じない「物理無効」のチート能力を持った怪物は、いかにして素手の英雄に敗北したのか?筋肉と知恵がぶつかり合う、伝説のデスマッチを紹介します。
武器が通じない魔獣
最強の血統
怪物の母エキドナと、台風の怪物テュポーン(あるいはオルトロス)の間に生まれたエリート魔獣です。ネメアの谷に住み着き、人や家畜を襲っていましたが、どんな鋭い刃物でも傷一つつかない頑丈な皮膚を持っており、退治しようとした戦士たちはこぞって返り討ちに遭いました。
ヘラクレスとの死闘
最初の功業
罪を償うために12の難題(功業)を課せられたヘラクレスの、記念すべき最初のターゲットとなりました。ヘラクレスは弓矢を放ちますが全て弾かれ、剣で切りつけても剣が曲がり、棍棒で殴ったら棍棒が折れました。
3日間の絞め技
「武器がダメなら」と、ヘラクレスは捨て身のタックルを敢行。獅子の首を太い腕でガッチリと締め上げました(ヘッドロックまたはスリーパーホールド)。獅子は暴れ回り、指を噛みちぎりましたが、ヘラクレスは3日3晩決して力を緩めず、ついに獅子を窒息死させました。物理無効でも呼吸は必要だったのです。
皮を剥ぐ方法
死んだ獅子の皮を剥いで防具にしようとしましたが、死んでもなおナイフを通しません。そこでヘラクレスは**「獅子自身の爪」**を使って皮を切り裂きました。こうして最強の防具を手に入れたのです。
星になったライオン
しし座の誕生
死闘を見届けたゼウスは、この獅子の強さを称えて空に上げ、しし座にしました。12星座占いでおなじみのあの獅子座です。
Fate/strange Fake
「天の牡牛」や「ケルベロス」と並ぶ英霊の力の一部として、人理を否定するほどの防御力を持つ宝具として描写されています。
【考察】自然の驚異
干ばつの象徴?
ネメア地方の夏は非常に暑く、この獅子は「灼熱の太陽と干ばつ」を象徴しているという説があります。ヘラクレス(太陽神の息子ともされる)がこれを制圧することは、人間が自然の猛威を克服しようとする意志の表れだったのかもしれません。
まとめ
最強の盾を持っていたばかりに、脳筋英雄の力技の餌食になったネメアの獅子。しかしその皮は英雄を守り続け、間接的に数々の冒険を支えることになりました。