馬は本来、草食の穏やかな動物ですが、ギリシャ神話には戦慄すべき人喰い馬が登場します。トラキアの暴君ディオメデスが愛玩したこの4頭の雌馬は、訪れる客人を食料として与えられ、血の味を覚えた最凶の猛獣でした。
暴君のペット
禁断の餌
ポダルゴス(速き足)、ランポン(輝き)、クサントス(黄金)、ディノス(恐ろしきもの)と名付けられた彼女らは、鉄の鎖で繋がれ、青銅の飼い葉桶からは人間の肉を食んでいました。ディオメデス王は、国に迷い込んだ異邦人を捕らえては、彼女たちの餌食にしていたのです。
因果応報
主人を喰らう
ヘラクレス(第八の功業)は、この馬を奪うために王と戦いました。ヘラクレスはディオメデス王を倒すと、その遺体を馬たちの前に投げ出しました。空腹の馬たちは、今まで世話をしてくれた主人を無心で貪り食いました。皮肉にも、王の肉を食べたことで馬たちは満腹になり、嘘のように大人しくなったといいます。
まとめ
ディオメデスの人喰い馬は、主人の狂気がペットに伝染するという、飼育者の責任と倫理を問うような恐ろしい教訓を含んでいます。