RPGでは「ゴブリンの上位種」として序盤の壁となるホブゴブリン。しかし、元々の民話では、夜中にこっそり家事を片付けてくれる「親切な隣人」だったことをご存知でしょうか?その意外なルーツと変遷を紹介します。
ホブゴブリンの正体
「ホブ」の意味
「ホブ(Hob)」とは、ロバート(Robert)の愛称であり、かつては田舎者や妖精を指す言葉でした。つまりホブゴブリンは「妖精のロブさん」といった親しみを込めた呼び名だったのです。
家の精霊としての顔
ブラウニーと同じく、住人が寝静まった後に掃除や整頓をしてくれる働き者です。報酬として一杯のミルクやパンを与えれば喜びますが、新しい服を与えると「もう働かなくていい」と解釈して去ってしまうと言われています。
なぜ悪役になったのか?
ピューリタンの影響
清教徒革命の時代、妖精信仰は「悪魔の仕業」として排斥されました。この時期に、親切なホブゴブリンも「邪悪な小鬼」へとイメージを変えられてしまったのです。
トールキンの『ホビット』
J.R.R.トールキンの作品において、ゴブリンより大きく強い種族として描かれたことが、現代ファンタジーにおける「ゴブリンの上位種」という地位を決定づけました。
現代作品でのホブゴブリン
Dungeons & Dragons
規律を重んじる軍事国家を形成する種族として描かれ、単なる野蛮なモンスターとは一線を画す存在となっています。
スパイダーマン
アメコミでは、スパイダーマンの宿敵の一人として登場。ここではカボチャ爆弾を使うヴィランであり、妖精の面影はありません。
【考察】いたずらと善行の境界線
パックとの関係
シェイクスピアの『真夏の夜の夢』に登場するパック(ロビン・グッドフェロー)もホブゴブリンの一種です。彼らは悪気のないいたずらで人を惑わせますが、根本的には陽気で憎めない存在なのです。
まとめ
凶悪な戦士の顔と、働き者の妖精の顔。ホブゴブリンは、時代とともに姿を変えながらも、常に人間の近くに潜む「異界の隣人」なのです。