日本三大神話の一つとも言われる諏訪の国譲り神話。出雲から逃げてきたタケミナカタに対し、鉄の輪を掲げて抵抗した現地の王が**洩矢神(モレヤ)**です。戦いには敗れましたが、その血統は絶えることなく続き、謎多き「ミシャグジ信仰」と共に諏訪の深層に生き続けています。東方Projectのキャラクターの元ネタとしても有名です。
鉄の輪 vs 藤の蔓
テクノロジーの敗北?
伝承によると、モレヤは「鉄の輪」で戦い、タケミナカタは「藤の蔓」で応戦しました。一見、鉄を持つモレヤが有利そうですが、植物(生命力)を操るタケミナカタに鉄輪を腐らされ(あるいは絡め取られ)敗北したとされます。これは製鉄技術を持つ先住勢力が、新しい稲作・農耕勢力に統合された歴史の暗喩かもしれません。
神長官守矢氏
敗者の復活
敗れたモレヤですが、殺されることはなく、タケミナカタの下で祭祀を取り仕切るトップ「神長官(じんちょうかん)」に任命されました。以後、明治時代に至るまで、モレヤの子孫である守矢氏が、生きたカエルを捧げるような縄文的色彩の濃い神事を取り仕切り、実質的に諏訪の信仰を支配し続けました。
まとめ
洩矢神は、中央(大和朝廷)の神話に飲み込まれながらも、その霊的な中核を決して手放さなかった、日本古来の「縄文の神」の執念を感じさせる存在です。