その名の通り、九つの頭を持つ巨大な龍、九頭龍(くずりゅう)。日本各地に伝承がありますが、特に有名なのは神奈川県・箱根の芦ノ湖と、長野県の戸隠山です。かつては人々を苦しめる毒龍でしたが、高僧によって改心させられ、今では水を司り、あらゆる願い(特に縁結び)を叶える最強の龍神として崇敬されています。
箱根の九頭龍伝説
芦ノ湖の主
奈良時代、芦ノ湖には9つの頭を持つ毒龍が住み着き、荒波を起こしては村人を苦しめていました。そこへ万巻上人(まんがんしょうにん)という高僧が現れ、湖畔で祈祷を行いました。上人の法力に降参した毒龍は、「これからはこの湖の主として、人々を守ります」と誓いました。これが現在の九頭龍神社の始まりです。
縁結びの聖地
毎月13日の月次祭(つきなみさい)には、全国から多くの参拝客(特に女性)が訪れます。龍神は水を司ることから、「良縁という流れ」を引き寄せると信じられているからです。
戸隠の九頭龍
天の岩戸と龍
戸隠神社の九頭龍大神は、天手力雄命(アメノタジカラオ)が投げ飛ばした「天の岩戸」が落ちてくる前から、その地に住んでいた地主神です。虫歯の神様としても知られ、梨を供えると虫歯が治るというユニークな信仰もあります。
まとめ
荒ぶる自然のエネルギーそのものである九頭龍。その9つの頭は、四方八方あらゆる方向からの願いを聞き届ける慈悲の現れなのかもしれません。