天之久比奢母智神と対になって生まれたのが、**国之久比奢母智神(クニノクザモチ)**です。地上の水を汲む器、具体的には人々が使う水瓶や、農業用水を貯める「溜池」「水田」そのものを神格化したと考えられます。水は貴重な資源であり、それを一滴も無駄にしないための知恵と技術の結晶です。
大地の器
水田というダム
日本の水田は、水を貯める巨大なダムの役割も果たしています。クニノクザモチは、この「水を抱え込む大地の力」を象徴します。地下水として涵養(かんよう)し、ゆっくりと川へ流すことで、急な洪水を防ぎ、渇水を和らげる調整機能を持っています。
備えあれば憂いなし
日頃から水を貯めておくことは、万が一の災害や干ばつへの備えです。この神は「備蓄」や「準備」の重要性を教えてくれます。現代の防災思想にも通じる、堅実な守り神と言えるでしょう。
生活の中の器
食器や花瓶など、私たちの身の回りにある「物を入れる道具」すべてに、この神の力が宿っていると考えられます。お気に入りの器を大切に使うことは、クニノクザモチへの感謝の現れです。
まとめ
こぼれ落ちそうな恵みを、そっと受け止める手。国之久比奢母智神は、日々の生活を支える「受け皿」となって、豊かな水を守り続けています。