水分神(ミクマリ)が「水を配る」神なら、この**天之久比奢母智神(アメノクザモチ)**は「水を汲む器」を神格化した存在です。「クヒザ(久比奢)」は「瓢(ひさご=瓢箪)」、「モチ(母智)」は「持ち」を意味するとされます。ハヤアキツヒコ・ヒメの間に生まれ、水を入れる容器、あるいは水を貯めておく機能(ダムや池)を象徴しています。
器の役割
流れる水を留める
水は流れ去ってしまうものです。それを一時的に留め置き、必要な時に使えるようにする「器」の存在は、生活においても農業においても不可欠です。アメノクザモチは、この「貯水・保持」の機能を司ります。天上の雨水を雲の中に留めておく力とも考えられます。
対の存在
**国之久比奢母智神(クニノクザモチ)**と対になり、天と地のそれぞれの「器」の役割を分担しています。水分神とセットで生まれていることから、水を「配る」ことと「貯める」ことは表裏一体の技術であることを示しています。
器量と包容力
物理的な容器だけでなく、人の「器量(器の大きさ)」や「包容力」を守護する神とも解釈できます。多くのものを受け入れ、漏らさずに保つ力は、リーダーや家庭を守る人にとって重要な資質です。
まとめ
ただ流すだけでは意味がない。天之久比奢母智神は、大切なものをしっかり受け止め、逃さない「器」の大切さを伝えています。