夫イザナギと共に日本列島を生んだ慈愛の母神でしたが、出産の事故で命を落とし、最後には夫を呪い殺そうとする**黄泉津大神(よもつおおかみ)へと変貌してしまいました。愛する夫との幸せな日々から、死後の世界での恐ろしい再会、そして永遠の別れへ。愛憎渦巻く日本神話最大の悲劇のヒロイン、それが伊邪那美命(イザナミ)**です。生命の母でありながら、死を司る神となった彼女の複雑な物語を解説します。
イザナミとはどんな女神か?
命懸けの出産
イザナギと共に多くの島や神々を生み出しましたが、最後に「火の神カグツチ」を生んだ際、陰部を大火傷して病に伏せてしまいました。その苦しみの中で吐いた物や排泄物からも、金山彦神(鉱山の神)やミズハナメ(水の神)などが生まれましたが、彼女はそのまま亡くなってしまいます。命を賭して新しい命を生み出し続けた、壮絶な最期でした。
黄泉の国の主
死者の国(黄泉の国)へ行った彼女は、迎えに来た夫に「戻りたいが、黄泉の国の食事をしてしまったので相談してくる。『決して見ないでください』」と告げます。しかし、待ちきれずに約束を破って中を覗いた夫が見たのは、腐敗してウジが湧き、8つの雷神たちが体に憑りついた、かつての美貌とは似ても似つかない彼女の無惨な姿でした。
日本初の夫婦喧嘩
恥をかかされた怒り
夫が恐怖のあまり逃げ出したことに、イザナミは「よくも私に恥をかかせたな!」と激怒しました。予母都志許売(よもつしこめ)や雷神などの怪物を放って夫を追いかけ、最後は黄泉比良坂で巨大な岩によって道を塞がれました。
最後の呪い
岩越しに、彼女は夫へ「お前の国の人間を毎日1000人殺してやる」と叫びました。対して夫は「それなら毎日1500人産ませる」と答えました。こうして夫婦の縁は完全に切れ、彼女は死者の国の支配者として、人々に死をもたらす役割を担うことになったのです。
現代作品でのイザナミ
ペルソナ4
物語の根幹に関わる重要な存在として登場。人々の「真実から目を背けたい」という無意識の願いを叶えるため、霧で世界を覆い尽くそうとするラスボス的な役割を担いました。
モンスターストライク
「黄泉津大神 イザナミ」として、超絶難易度のクエストボスとして君臨。多くのストライカーを絶望させた強敵ですが、味方にすると非常に頼もしい存在となります。
まとめ
イザナミは、創造の母であると同時に、抗えない「死」そのものでもあります。しかし、死があるからこそ生が輝くように、彼女の存在は私たちが生命の尊さを知るために不可欠な、恐ろしくも偉大な影なのです。