「我らはソーマを飲んだ。我らは不死となった」──『リグ・ヴェーダ』にそう謳われる、インド神話最古にして最高の聖なる飲み物、それがソーマです。神々への捧げ物であり、戦士に活力を与える興奮剤でもあったこの液体は、月神ソーマとして神格化もされています。
インドラのガソリン
ヴリトラ退治の源
雷神インドラはソーマの大酒飲みとして知られています。宿敵である巨龍ヴリトラとの戦いに挑む前、インドラは大量のソーマをあおり、その効能で力がみなぎり、恐怖心が消え去ったといいます。まさに英雄的行為をブーストする神のドリンクでした。
幻の植物
原料は何か?
ソーマは特定の植物の茎を石ですり潰して抽出されていましたが、その植物が具体的に何であったのかは、現代でも謎に包まれています。マオウ、大麻、キノコなど諸説ありますが、祭式の変遷と共に代用品が使われるようになり、本来の製法は失われてしまいました。
まとめ
ソーマは、古代の人々が自然界の植物から得られる変性意識体験を「神との合一」と結びつけた、宗教的熱狂の根源的なシンボルです。