90年代のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で一躍有名になったロンギヌスの槍。劇中では赤い二股の巨大な螺旋状の槍として描かれ、ATフィールドを貫く最強の兵器として登場しました。しかし、実在する(とされる)聖遺物は、もっと現実的なローマ兵の槍の形状をしています。その力はアニメ以上に恐ろしく、「世界を支配できる」と噂され、ヒトラーさえも魅了したと言われています。
盲目の兵士ロンギヌス
奇跡の開眼
ゴルゴタの丘で十字架にかかったイエス・キリストの死を確かめるため、ローマ兵ガイウス・カッシウス(後のロンギヌス)が槍で脇腹を刺しました。するとイエスの傷口から血と水がしたたり落ち、白内障を患っていたロンギヌスの目に入ると、たちまち視力が回復したといいます。彼はこれを神の奇跡と信じ、ローマ軍を辞めてキリスト教の熱心な信徒となりました。このエピソードから、槍には「治癒」の力が宿るとされます。
運命の槍(Spear of Destiny)
覇者の条件
この槍は後に「持てる者は世界の運命を握る」という伝説を帯びるようになります。コンスタンティヌス大帝やカール大帝など、歴史上の覇者が所有したとされ、ナチスのヒトラーもウィーンの博物館からこの槍を持ち出したという逸話があります(実際には戦時中、ニュルンベルクの地下壕に保管されていました)。
失うと死ぬ
伝説には恐ろしい副作用もあり、「槍を手放した瞬間に破滅する」とされます。カール大帝は槍をうっかり落としてすぐに亡くなり、ヒトラーも槍を米軍に押収された直後に自殺した、というオカルト的な因果関係がまことしやかに語られることもあります。
まとめ
ロンギヌスの槍は、最も神聖な聖遺物であると同時に、権力者たちの飽くなき野望を吸い続けてきた「魔槍」の側面も持っています。エヴァで見せた絶望的なまでの貫通力と支配力は、この歴史的な重みを反映しているのかもしれません。