クリスタルの小瓶に入った清らかな水。それをひとたび邪悪な怪物に投げつければ、聖なる炎となって彼らを焼き尽くします。聖水は、信仰なき者でも扱える最強の対アンデッド兵器です。
本来の聖水とは
司祭による祝福
現実のカトリック教会における聖水は、水に塩を混ぜ、司祭が祈りを捧げて聖別(祝福)したものです。これは主に洗礼式や、信者が聖堂に入る際に指を浸して身を清めるために使われます。決して爆発したり、触れただけで火傷を負わせたりするような危険物ではありません(悪魔憑きには効くかもしれませんが)。
ルルドの泉
フランスのルルドなど、聖母マリアが出現したとされる場所から湧き出る水も「奇跡の水」として聖水視されることがあります。これらは病気治癒の奇跡をもたらすと信じられています。
なぜ「武器」になったのか?
ドラキュラ映画の影響
聖水が攻撃手段として定着したのは、吸血鬼映画の影響が大きいでしょう。ドラキュラ伯爵にとって十字架や日光と同様に、聖水は「触れるだけで皮膚が焼けただれる猛毒」として描かれました。そこから「アンデッド=聖なるものに弱い」という図式が完成し、ゲームの世界では瓶ごと投げつけてダメージを与える投擲アイテムへと進化したのです。
ゲームでの性能
コスパ最強の退魔具
『悪魔城ドラキュラ』シリーズでは、放物線を描いて飛び、地面で燃え上がる強力なサブウェポンとして登場します。また『ドラゴンクエスト』では、フィールドで使用すると敵が出現しなくなる(魔除け)効果と、戦闘中に使うと敵単体にダメージを与える効果を併せ持つ、冒険者の必需品です。
【考察】清浄さへの信仰
水は穢れを洗い流す
古今東西、水には「穢れ(けがれ)を洗い流す」力があると信じられてきました。日本の禊(みそぎ)も同様です。聖水がアンデッドに効くのは、彼らが「死という最大の穢れ」を纏った存在だからであり、聖なる水はその穢れを強制的に浄化(=消滅)させるからなのでしょう。
まとめ
ただの水でありながら、信仰という不可視の力を宿した液体。聖水は、目に見えない悪と戦うための、最も身近で神聖な弾丸なのです。