錬金術の基本原理が記されているとされる伝説の碑文、エメラルド・タブレット。ヘルメス・トリスメギストスによって記されたこの緑色の板には、宇宙の神秘と「賢者の石」の製法が隠されていると言われます。
錬金術の聖典
下なるものは上のごとし
最も有名な一節「下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとし」は、マクロコスモス(宇宙・大宇宙)とミクロコスモス(人間・小宇宙)の照応関係を示しており、魔術や占い、西洋神秘主義の根幹をなす思想です。
謎の起源
実物は現存せず、伝説上の存在です。アレクサンダー大王がヘルメスの墓で発見したとも、エジプトの神殿にあったとも言われています。
賢者の石への鍵
太陽を父とし、月を母とする
タブレットに記された詩的な文章は、黄金変成や不老不死をもたらす「賢者の石」の錬成プロセスを暗号的に記したものだと解釈され、アイザック・ニュートンを含む多くの学者が解読に挑みました。
現代への影響
鋼の錬金術師
漫画『鋼の錬金術師』など、錬金術をテーマにした作品では、真理に近づくための重要アイテムや概念として頻繁に引用されます。
下なるものは上なるが如く
エメラルド・タブレットに記されているとされる最も有名な言葉が「下なるものは上なるが如く、上なるものは下なるが如く(As above, so below)」です。これはマクロコスモス(宇宙)とミクロコスモス(人間・物質)の照応関係を示し、西洋占星術や錬金術の根本原理となりました。
ニュートンの翻訳
万有引力を発見したアイザック・ニュートンもまた、錬金術に深く傾倒していました。彼の遺稿の中からは、このエメラルド・タブレットを英訳したものが発見されており、科学の巨人にとっても無視できない重要なテキストだったことが分かります。
太陽の作業
エメラルド・タブレットには「太陽を父とし、月を母とする」という記述があります。これは錬金術における「硫黄(父・能動的原理)」と「水銀(母・受動的原理)」の結合、あるいは「賢者の石」の生成プロセスを象徴的に表現したものと解釈されています。
オカルトへの影響
19世紀以降のオカルトリバイバルにおいて、エメラルド・タブレットは再び脚光を浴びました。ブラヴァツキー夫人の神智学や、黄金の夜明け団などの魔術結社において、この碑文は古代の叡智の源泉として扱われ、現代のニューエイジ思想にもその影響は見られます。
まとめ
エメラルド・タブレットは、その強力な能力やエピソードから、現代の多くの作品でも重要な役割を担っています。錬金術・ヘルメス思想を知る上で欠かせない存在と言えるでしょう。