アンクーシャ(Ankusha) は、象使いが象を操るために使う、先端に鋭い金属の鉤がついた棒です。サンスクリット語で「抑制するもの」を意味します。インド神話、特にガネーシャ神のアトリビュート(持物)として有名で、彼は通常、片手に「パシャ(投げ縄)」、もう片手にこのアンクーシャを持った姿で描かれます。
心の制御棒
怒りと欲望の手綱
象は強大な力を持っていますが、時に怒り狂い、制御不能になります。これは人間の「心(エゴ)」の象徴です。アンクーシャは、暴走しそうになる心を鋭く突き、正しい方向へ修正するための知性と自制心を表しています。投げ縄(パシャ)が良いものを引き寄せるのに対し、アンクーシャは悪いものを退け、信者を法(ダルマ)の道に留める役割を果たします。
8つの縁起物
仏教においても「八吉祥」の一つとして取り入れられている地域があり、権威や繁栄、そして自身の精神をマスターすることの象徴として大切にされています。
まとめ
アンクーシャは、自分自身の最大の敵である「己の欲望」を飼いならすための武器です。それは外に向かう攻撃力ではなく、内に向かう精神力の強さを教えてくれます。