クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を「発見」する約500年も前に、大西洋を渡り新大陸に到達していたヴァイキング。それが「幸運のレイフ」こと、レイフ・エリクソンです。彼は探検家としての優れた直感と航海術で、未知の世界への扉を開きました。
追放者の血筋
赤毛のエイリークの息子
彼の父は、殺人の罪でアイスランドを追放され、グリーンランドに入植した「赤毛のエイリーク」です。父譲りの冒険心(しかし父よりは理性的で賢明な性格)を受け継いだレイフは、商人ビャルニ・ヘルヨルフソンが見たという「西の森のある陸地」の話を聞き、自ら探検隊を組織しました。
ヘルランド、マルクランド、そしてヴィンランド
彼は西へと船を進め、岩だらけの「ヘルランド(岩の国)」、森の広がる「マルクランド(森の国)」を経て、ついに温暖で野生のブドウ(またはベリー類)が自生する「ヴィンランド(ブドウの国)」に到達しました。これは現在のカナダ、ニューファンドランド島のランス・オ・メドー遺跡であると同定されています。
入植の試みと挫折
スクレリングとの接触
レイフ自身はヴィンランドで冬を越し、無事にグリーンランドへ帰還しました。しかし、その後彼の一族による本格的な入植の試みは失敗に終わりました。
その最大の原因は、現地住民「スクレリング(先住民)」との対立でした。彼らは鉄器こそ持っていませんでしたが、数で勝り、ヴァイキングたちを激しく攻撃しました。最終的にヴァイキングたちは定住を諦めて撤退せざるを得ませんでしたが、この接触は、既知の歴史における最初期の「ヨーロッパ人とアメリカ先住民の遭遇」です。
キリスト教の布教者として
グリーンランドの改宗
探検家としての側面の他に、彼はノルウェー王オラフ・トリグヴァソンの命を受け、グリーンランドにキリスト教をもたらした伝道者でもありました。彼の母は熱心な信者となり教会を建てましたが、父エイリークは古来の神々への信仰を捨てず、最期まで反発したといいます。
アメリカ合衆国では、彼の功績を称え、10月9日を「レイフ・エリクソンの日」として記念日に定めています。
まとめ
レイフ・エリクソンの航海は、人類の冒険心がいかに広大であるかを示す証拠です。彼の見た「ヴィンランド」の風景は、遥かな時を超えて、私たちのロマンを掻き立て続けています。